
治療はまずカウンセリングから始められます。インプラントはかかる費用も高く、また技術的にも高度な治療です。ですからこのカウンセリングによって患者さんの十分な理解と同意を得ることが、医師との信頼関係を築くうえでも大切です。また歯を失った状況や、どのような回復を求めているかなど、インプラントに対する期待や要望もこの時に伝えておきましょう。
インプラント治療では、患者さんの噛み合わせ、他の歯・あごの関節の状態、あごの痩せ具合など、様々なデータを担当医が把握することが特に重要となってきます。噛み合わせのチェックやレントゲン撮影以外に、あごの骨の痩せ具合が大きい等、造骨が必要であると予測される場合、より確実な治療を行うためにCT(コンピューター断層撮影)検査を行います。
初診での検査資料を元に診断し、より詳しい治療計画を作成します。医院によっては必要に応じて、豊富な症例写真を用いてより具体的に治療計画の説明を行うこともあります。ここでインフォームドコンセント(治療への理解と同意)を得てはじめて治療が行われます。
他の歯に虫歯があったり歯周病にかかっている場合には、インプラント治療の前に周囲の歯の虫歯治療や歯周病(歯槽膿漏)を完治しておく必要があります。また、骨量が不足している方には骨の再生治療を行います。
インプラント治療は口腔内の手術ですから、手術はインプラント専用の手術室で行うのが望ましいのですが、医院によっては他の歯科治療と同じ場所で行う場合もあるので注意が必要です。事前に専用の手術室があるか聞いておくとよいでしょう。また通常、麻酔は局所麻酔のみですが、患者さんの希望によっては静脈内鎮静法を併せて用いる場合もあります。手術時間は1〜2本の場合は20〜30分程度、本数が少し多い場合でも平均1時間前後で終了します。多数本埋入、複合手術が必要の場合はもう少し時間がかかります。
手術後は、埋入したインプラントが周囲の骨と結合するまで安静期間を置きます。期間は、骨の状態や治療部位によって異なりますが、下顎前歯・奥歯で2ヶ月、上顎前歯・奥歯で4ヶ月が目安です。なお、安静期間中も仮歯を入れるため、食事など日常生活も問題なく行えます。
インプラントと骨が結合すればあとはセラミックの歯を装着して完成です。最終的に問題点の有無を確認し、調整を行ったうえでセラミックの歯に移行します。
インプラント完成後も専門の歯科衛生士による衛生指導のもと、日頃の衛生管理を行います。インプラントの維持にとって定期的な管理は大変重要なため、インプラントの部分だけでなく他の歯についても行います。 インプラント治療を受ける際には、術後のメンテナンスをしっかり受けられる環境かどうかも確認しておきましょう。